私が初めてルアーと出会ったのは中学2年の時だった。 臨海市である為、釣りと言えば投げ釣りだった。
この頃すでに、投げ釣りには相当傾倒しており、道具も当時としては
かなりの物を持っていた。
ある時同級生の釣り友が、「これからも海釣りを続けて行くならルアーくらい持ってないとな!」と言って来た。
私としてはよく意味が判らなかったが(今考えても良く判らんが)、とりあえず口を合わせて「そうだな。」と答え、友人の薦めるままオリンピック社の“ウイング・ルアー”の(大)と(小)を注文した。 私の記憶では、たしか両方とも360円だったと思う。
高いか安いかは不明だったが話しに乗った。
ま、そそのかされたと言っても 「360円×2=720円位だったら腹も立たんか。」と割り切って注文した。
投げ釣りしか知らなかった私は、当然それを直にラインに結び、投げて巻くものと思っていたのだが、納品された“ウイング・ルアー”なる物の実物を見て驚いた。 「こんな物本当に飛ぶのか? 俺のロッドで・・・・」
当時私の竿は、オリンピック社の“アマゾンV”。 緑に白がカッコイイ3.9m25号と言うかなりの豪竿だった。
リールも同社の“ホリゾンNO2・ハイスピード”と言う、昭和48年に7000円近い超高級機種だった。
これに6号ラインを200m巻いていた! しかし、問題のルアーと言うと・・・・ 今で言うとトラウト用のスプーンの一種と言うのが一番近い表現かな? (小)3.5g程 (大)5g程だったと思う。 これは全く無謀。 と言うより、物理的に不可能。
「これでどうやって何を釣るの?」と友人に訊ねたら、こいつも動揺を隠し切れない様子だったが、「簡単だよ。 ウキを使って投げるんだ」と答えた。 つまり大物をウキ流し釣りで狙う時の遠投ウキに1m程ラインを結び、その先に例のルアーを付けて投げると言う荒業をやって見せたのだ。 妙に感心し、「ルアーってこう言う物なんだ。」と納得したものだった。 これって、スキップバニーと同じ考え方のもので、釣れても不思議ではなかったかもしれない。 しかし、2、3回やって見ただけで飽きました。 このルアー、家のどこかに埋もれているかもしれない。
今出てきたら宝物だ。 皆さん、ルアーは目的に応じた物を、正しく使いましょう!
想像以上に魚は利口です。 なめて掛かると痛い目見ますよ・・・・
- 2001・10・9 - |