2007・ 釣 行 記 ・ FLY Fishing 編
フライフィッシングによる渓流の釣行記
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3月2日(金)
今年も渓流解禁を迎えました。 今年は私が渓流に通い始めて、多分最も雪が少ない解禁だと思います。
例年ならこの時期このエリアには少なくとも2m以上は雪があるはずだし、水量も2倍以上あるはずです。
が、ご覧の状況は4月後半、もしくはGW頃のコンディションです。 昨年とは正反対過ぎてビックリである。

景観が4月後半なら状況も4月後半か?ひょっとしたら
ドライでいけるかも!なんって期待も高まる…
川沿いを走ると何人か釣り人が居るのが見える… 雪が少ないと足跡がなく、先行の有無が読めない。

よって過去の実績に頼って適当に探ってゆく事にする。
今日は
今年フライフィッシングデビューのトシオ君が一緒なので、開けてて振り易いポイントでなくてはいけない。 魚が居そう開けて先行者が入っていない所… そんな都合が良い所ある訳けないよね…
でも、
解禁の基本は川に入ってロッドを振ることから始まる。 そう、全てはそこから始まるのだ…
さて、適当なポイントに車を止めてスタート。 ユキシロなんて皆無で水量もベストシーズンの様… これで釣れたら天国!
しかし… 現実はそう優しくない。 マッッッッタク魚が居ないんですけど… マーカーがヒュッと入る幻覚だけ見える…
釣り人と言うのは誠に都合の良い解釈をするもので、アタリが無いと
“釣れない”のではなく“居ない”と考えます。
そう、ここには魚が居なかった。 で、トシオ君は?→ 多分フライを交換していとこだろうけど、立ってる姿を見てビックリ!
ホントに今日が初めてか?! ロッドを脇に抱えてる姿なんざ貫禄があって雰囲気抜群なんですけど…

この手の人って上手くなりそうな予感がする… 元々手先が器用だし、なによりもこの手の事が
“好き者”だから…

さて私は… 依然として釣れません…じゃなくて“居ません”だった… でも1尾位は… なかなか諦めがつかず粘ってみる。
晴天ではあるが気温低め。 釣れない時の釣りは寒修行の様になる… じーっとマーカーを見つめていると
頭の中に音楽が流れてくる事ってありませんか? なぜかそれがその日一日続くわけだが…。
この日の私の脳内に突然流れ出したBGMは“日吉ミミ”“男と女のお話し”でした。 なんで日吉ミミなんだよ…_l ̄l●
しかも釣れないこの時に “恋び〜とに、、フラレ〜タの、、よくあ〜る話し〜じゃ〜ないか〜”って
3拍子は重過ぎる… il|li _l ̄l●il|li
小一時間ほどあの特徴のある声に悩まされつつ、一緒に口ずさんでる自分に気付く…
なんだか今日一日ダメな予感… 移動です…
居ないなら 居るとこ行こう 釣れるまで 釣り人の思考は簡単である。 目で見て確認橋の上…
居ました居ました… なんと超シビアながらライズも見られるじゃ〜あ〜りませんか!
車を邪魔にならない所に駐車して、林の中を下ります。 ここは雪が少なくて降りるのは楽チン♪

デカイニンフを結んで投げ込む… キャストと言うよりヘラブナ釣りの雰囲気で、マーカープカプカ…
と、すぐにスーッと寄って来てパクリ!
なんて簡単な…(;´Д`) やはり居るとすぐ釣れますな。
でも数ヶ月振りのファイトは快感!25cm弱に7Xは全然余裕、妙に走回るイワナではありますが…
寄せて来ると
明瞭なパーマークが見える。 なんでこんな所にヤマメが居るんだ?摩訶不思議。
で、ネットに掬うと背ビレや尾ビレにまで斑点がビッシリ。
こいつはニジマスですな… 理解不能…
なんでニジマス?
全てのヒレが完璧に整った超ヒレピン!絶対に成魚放流の個体ではない。

下流部では昨年
tsuyoさんが釣堀状態を堪能しているのでかなりの数が放流されているのは確か。
この辺もニジマス入れてるんでしょうか?ダム湖なんかで巨大化したら、それはそれで面白い。
しかし渓流で出会うニジマスには嬉しい反面、複雑な気もする… それを言うと養殖放流自体罪か…
画像を納めてトシオ君に交代。 しかし魚が散ってしまって一気にシビアな状況に…
再度代わって貰って、彼に届かない遠くのライズを狙う。 が、結果はイワナ3バラシと残念な結果。
で、その間トシオ君も横で1バラシだったらしい… 銜えるのが見えて焦ったとか… 良くある事です。
さて、この後もう1ヶ所行きましたが、釣れるには至らず、景色を見て終了。 お土産は暖冬に急かされて出てきたフキノトウを少々…
下りはヨイヨイ帰りは辛い、辛いながらも道は無し… 下手な詩でも詠んでみる。 そうでもしないとどうにもならない程キツイんデスよ!
解説すると、少ないとは言っても7〜80cmは雪があり、雪がある時期にしか履かないウェーダーのお陰で下りは滑り台で楽チンなのです。
が… 登りは地獄です。 1歩体重を乗せるとズボッと股まで沈む… 雪の下は空洞なのである。 そんな状態で斜度は60°程かな?
道路脇の車がほぼ真上に見えるので、一見近そうですが50m程あるのかな?休みながら登っても何回も心臓が止まりそうになります。

ま、そんな感じで本日は私のニジマス1尾だけ… トシオ君は宿題をお持ち帰り、でした。 翌日は予想通り
二人仲良く筋肉痛でした。
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6月1日(金)
今シーズン一杯で廃車となるデリカと思い出作りの意味も込めて前夜より車中泊で釣りに臨んだのですが、どうにも天気が怪しい感じ…
実はこの場所、トシオ君来て雨に合わなかった事が無い… 車内では「明日の天気は…」って話題は暗黙の禁句的な空気である。
明けて早朝、雨がルーフを叩く音で目が覚める…il|li_l ̄l●il|li 神様は意地悪です…
二度寝の後、外に出てみると
なんと気温は8℃!シャレにならん… この時期に手が悴むとは… 一旦下流に下り入渓するも釣れず…
ところが… 気が付くと気温が上がってきた。 いつの間にか空の雲は消え快晴!
神に感謝!! 再び目標のポイントへ移動し、入渓開始。
確か、数日雨が続いてたと思うので、人が入っていなかったのか魚影が濃い!
普段は釣り飛ばす小さなポイントにも沢山魚がいます。
今日こそはトシオ君に初岩魚GETの予感です。

最初に釣ったのは20cmほどの小さな岩魚ですが、コンディションは最高!
ヒレが奇麗に整ってて力強い。 岩魚って生命感あふれる魚ですね…

トシオ君はやや後方から方々をフライで探っていると思えば、山野草の写真を撮ったりと、山を楽しんでいる様子です。
私ががっついた釣りをしなくなり、周りも楽しめる、今の域まで達するのに4〜5年かかったと思うのですが、こやつ恐るべき男です。
そしてついに釣りの神様降臨… トシオ君に人生初岩魚がHITしました。
Orvis Superfineはフルフレックスらしく奇麗に弧を描いて曲がっている。

本人は「これだと25〜6cmあるかな?」って言ってたと思いますが…
最初の岩魚は23cm程だったと思います。 そうは甘くはないのです。

ところが!甘くないはずの25〜6cmオーバーが釣れてしまいました。

私が示したポイントに何投目かで入り、これまたアドバイス通りにフライが流れ、予想通りのポイントでストライク! これには2人共大興奮しました。
27cmあったと思うのですが、ランディングに至るまで引きを楽しむ余裕までありましたね… 人生で2尾目なのに、全く恐るべき奴です…
一方私は何度か大物らしきアタリをバラシ、キャッチした最大は25cmにとどまりました。
しかし結構数も出て楽しめました。 フライフィッシング最高!

帰りは大量のウドのお土産を持って下山です。
大量と言っても1本ずつが異常に太いので本数は大したことはありません。

朝の雨からは思いもつかない晴天のまま釣りを終了。
両腕が真っ赤に日焼けしました。
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